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結腸がんの開腹手術
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腹腔鏡手術とは,腹部を切開するのではなく,小さな孔を数力所あけ,そこから内視鏡の一種である腹腔鏡などの手術器具を入れてがんを切除する治療法です。
この,腹腔鏡下手術は欧米で流行し,その後日本にも導入され,2002年から保険適応となりました。
これ以降,結腸がんに対しても腹腔鏡下手術を実施する施設・機関が急増し,現在では,この腹腔鏡下手術を導入している医療機関は30%程度といわれています。
この腹腔鏡下手術は傷が小さいため,痛みが少なく,患者への負担が軽いというだけでなく,回復が早く,入院期間も短いというメリットがあります。
術後入院期間は,開腹手術では10日間ほどかかるのに対し1週間程度ですみます。
だだし,モニターを見ながらの作業になるため,直接肉眼で確認しながらの開腹手術と比較して,高度な技能が要求されます。
したがって,技術の習得に時間と経験が必要になり,医師により,技能や治療の質に格差がでやすいという問題点もあります。
また,一般には手術時間が長くなり,資材のコストがるため,開腹手術より手術費は高くなるという問題もあります。
ただし,治療成績や根治性も気になるところではありますが,欧米の開腹手術と腹腔鏡下手術とを比較した臨床試験結果では,腸が動き出す時期や入院期間など,短期の成績で優れているだけでなく,長期の予後でも劣らないと報告されています。
日本でも両者の治療を比較する試験が進行中で,2011年末,短期的な成績が発表されたところです。
その報告によれば,短期的な成績では,腹腔鏡下手術は開腹手術より,手術の出血量が少ない,手術後の傷口からの感染症の発生数が少ない,排ガスが早い,術後在院日数が短いといった優位性が報告されています。
一方,合併症などの問題の発生率は,腹腔鏡下手術と開腹手術とでは変わりありませんでした。
根治性などの長期的な治療成績がでるのこれからですが,今後は,この結腸がんに対して腹腔鏡を採用する施設がさらに増加していくことが予想されます。
また,従来の腹腔鏡下手術よりもさらに低侵襲な「単孔式腹腔鏡下手術」や
ほとんど手術創が残らない,極細鉗子を使用した「二ードルスコピックサージャリー」という術式も行われるようになりました。
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結腸がん(大腸癌)腹腔鏡手術と治療の流れ |
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まず,全身麻酔を行い,腹部を切開し,径5mm〜1cmのポートを4個前後をつくり,腸管を摘出する創5cm程度を一つつくります。それらに筒状の器具であるトロッカーを挿入します。
これらのトロッカーには鉗子や電気メスを,へそのトロッカーには腹腔鏡を入れます。
トロッカーが入ったら,手術する空間を腹腔につくるため,腹腔内に二酸化炭素を入れて,おなかをふくらませます。
腹腔鏡や鉗子をトロツカーに挿入した後,腫瘍の切除を始めます。
まず,腸間膜を一枚ずつ剥がしていき,切除する患部にに栄養を送る栄養血管を止血したうえで切断し,次にリンパ節郭清を行います。
その後,5cmの創から,患部の腸を引き出し,切除と吻合とを行います。腸を十分に引き出せない場合は,腹腔内で吻合をおこないます。
最後にトロッカーを外し,傷口をふさいで終了となります,結腸がんの場合,手術時間の平均は2時間半〜3時間です。
手術後1日目から定期的に血液検査とX線検査をします。
体を動かすのは、手術後1日目からで,座ることから始めて,徐々に歩く,練習をしていきます。
これは,早くから体を動かすことで,腸の動きも早まり,血栓症や腸閉塞を予防することができます。
術後1〜2日目になると,排ガス,排便も可能となり,術後約1週間程度で退院となります。
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結腸がん(大腸癌)腹腔鏡手術の治療後の経過 |
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腹腔鏡下手術は腹部の切開は少ないため,傷の治りは早いといえますが,腹腔内の切除は開腹手術と変わらないため,運動や食事に注意した療養生活や定期検診は必要です。
退院後は,2週間後に手術の傷や症状などについて確認します。
次は1ヵ月後に,腫瘍マーカーなど血液検査や超音波検査を行います。
3ヵ月後に,もう一度定期検診を受け,その後は病気の進行度によって異なりますが,3〜6ヵ月ごとの検診を5年間継続し,5年の間再発や転移がみられなければ根治と診断され,治療は終了します。
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