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直腸指診査
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直腸がんの有無を調べる最も簡単な検査です。
医師は指手袋をつけた人差し指を肛門から直腸内に挿入し,直腸を接触ることで異常の有無を調べます。
特に,排便時にはっきりと出血が確認できる場合や,肛門に近い直腸にがんがある場合,有効な検査です。
下剤なども不要で,直腸がんの50〜70%はこの検査で発見できますが,検査範囲は肛門に近い直腸に限定されます。 |
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注腸造影検査 |
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肛門からバリウムを注入し,X線を使って大腸を撮影する検査です。
便潜血検査で陽性だった場合には,通常は,問診や上記のような触診の後,この検査から始めます。
前日は食事制限をし,下剤で便を全部排出し,大腸内をきれいにしておく必要があります。
撮影の所要時間は10〜20分程度で,検査終了後はバリウム排出のために下剤を服用します。
この検査で大腸壁が変形しているようであれば,大腸がんの可能性があります。
この検査では,大腸全体の形と,異常のある位置を正確に把握することができますが,画像はあくまで影絵のようなものであり,異常がある場合,大腸内視鏡検査をおこないさらに詳しく調査する必要があります。
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大腸内視鏡検査 |
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肛門からファイバースコープでできた内視鏡を入れ,直接大腸の内部を検査します。
最近では,電子内視鏡が使用されるようになり,内視鏡の先端に受光素子を組み込み,大腸内の様子がモニター画面に映し出されるというもので,画質も格段によくなっています。
この検査では,小さな病変も発見でき,異常があった場合は,そのまま組織の一部を採取して検査に出したり,ある程度までの大きさのポリープなら,その場で切除も可能です。
大腸がんでは,この内視鏡検査の肉眼での確認により,病変が,がんかどうかはほとんどわかります。
しかし,この検査のみで,100%がんと断定はできません。がんの診断を確実なものにするためには,病変部分から組織を採取し,顕微鏡で調べる病理検査が必要です。
この検査は上記の注腸造影検査より精度の高い有用な診断方法といえます。 |
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内視鏡超音波検査(EUS) |
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この検査では,内視鏡の先端に超音波を発する器具を装着し,それを肛門から入れ,腸管や周辺臓器の連続的な断層像を観察する方法です。
これまで,消化管にエコー検査は向いていないされてきましたが,超音波診断機器の進歩により評価できるようになってきました。
この検査はX線検査のように放射線被ばくがないという点もメリットといえるでしょう。
また,大腸がんの診断では,がん細胞が腸壁のどれくらいの深さまで達しているかを判断することが重要です。
この検査ではがんが腸壁のどの深さまで進んでいるかやリンパ節転移の有無などを判断できるため,手術前の治療方針を立てるための評価として有効です。
特に直腸がんにおける内視鏡超音波検査での深達度の正診率は80%以上と良好ですが,転移リンパ節の位置や個数の正確な診断などは,まだ難しく,今後の課題です。
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CT検査・MRI検査
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この両検査とも大腸癌の検査には有効です。
内視鏡検査と比較して苦痛が少なく,短時間で検査できることがメリットです。
大腸がんのCT検査を行っている施設は多くはないようですが,欧米ではCTを用いて大腸を診断することが一般化しており,日本でも検診の手段として採用されるようになってきています。
この検査で,検査前に下剤と造影剤を飲む必要があります。
CT検査は,コンピュータによる断層写真から,立体映像の作成が可能ですが,組織の採取ができないため,異常がみられた場合,やはり大腸内視鏡をおこなう必要があります。
MRI検査は,からだに強い磁場をかけ,その中にある物質の原子の状態を感知して画像を構成する方法です。
腸内に器具を入れずに,がんやその周囲の状況が立体的にわかる患者に負担のない検査です。
ただし,大腸がんの疑いでMRIは最初に選択する検査ではなく,肝臓やリンパ節への転移の有無や腫瘍の広がりを調べる目的で使用されます。
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腫瘍マーカー検査 |
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血液検査によって,がんの存在の有無や,治療効果,再発の有無などをチェックする方法です。
腫瘍マーカーとは,がん細胞が生み出すたんぱく質や酵素,ホルモンなど特異物質の総称です。
一般的に良性の疾患でもこれらは増加する場合があり,これだけでがんの有無を診断することはできません。
大腸がんにおいてはCEAやCA19-9いうマーカーが診断の指標となります。
CEAの血中濃度は,進行がんになると高くなりますが,ほかの部位のがんでも,数値が上昇したりする場合もあれば,逆に上昇しない例もあります。
一方,CA19-19という腫瘍マーカーは,進行大腸がんでも約半数が陽性を示すのみです。
したがって 大腸がんを早期発見できる腫瘍マーカーは現在では確認できず,大腸がんの発見に向いているとはいえません。
腫瘍マーカーは,転移・再発の指標や治療効果の判定基準としても用いられていますが,転移・再発の場合に必ずしも異常値を示すわけではないので,継続した測定が必要です。
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