|
|
|
大腸がんが他臓器にまで,転移しているような進行がんの場合,大腸を腸間膜ごとにリンパ節を切除する手術では,根治はもはや期待できず,がんが浸潤している周辺の臓器をすべて摘出する拡大手術が行われる必要があります。
このような手術は骨盤内臓全摘術とよばれ,この手術によって,かなり進行したがんであっても根治が可能となっています。
大腸がんの治療法では,放射線治療や抗がん剤治療という方法もありますが,あくまで補助療法や症状緩和の治療であり,それだけで,根治は期待できません。
ただし,根治が可能といっても,骨盤内の臓器をすべて切除する骨盤内臓全摘術は,10〜12時間と長時間にわたる大手術で,合併症も起こりやすいというリスクもあります。
さらに,患者の体力消耗もかなりのものがあり,体力や全身の健康状態がよくなければ,実施は困難です。
したがって,この骨盤内臓全的術を実施している医療機関は少ないというのが現状です。
しかし,ある施設で手術は不可能といわれても別の病院でこの骨盤内臓全摘術を受け,根治できたという例もあります。
さらに,最近では,技術も進歩し,骨盤内臓全摘術を受けても,排尿・排便機能の温存が可能になってきています。
大腸がんに対する骨盤内臓全摘術には,骨盤内臓全摘術と仙骨合併骨盤内臓全摘術の2つがあります。
骨盤内臓全摘術では骨盤内にある臓器,直腸と膀胱,尿道,前立腺,精のう,子宮と膣をすべて摘出します。
それらの切除だけでなく,仙骨の一部を削るのが仙骨合併骨盤内臓全摘術です。
また,骨盤内にある臓器や組織の一部を残す場合もあり,そのような場合には,他臓器合併切除といいます。
骨盤内臓全摘術は,すでに手術を一度行った再発がんの場合にも行われることがあります。
|
|
|
|
|
|
|
|
|