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大腸壁の構造 |
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大腸壁は薄い層が重なって構成されています。最も内側にあるのは粘膜層で厚さは1mm程度です。
その外側にはリンパ管や血管が通っている粘膜下層があり,さらにその外側には筋肉でできた固有筋層,漿膜下層,さらに腸をつつむ薄い漿膜があります。
ただし,直腸の下部にはこの漿膜がありません。
大腸がんはこの粘膜層から発生し,徐々に下に向けて,浸潤していきます。
浸潤が進み,最も外側にある漿膜を破ると,腹腔内にがん細胞が散らばるように広がる腹膜播種性転移を起こすことがあります。
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大腸がんの深達度(大腸癌取り扱い規約より)
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結腸がんの深達度(漿膜がある部位)
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早期がん |
m |
がんが粘膜にとどまり,粘膜下層におよんでいない |
sm |
がんが粘膜下層にとどまり,固有筋層にはおよんでいない |
進行がん |
mp |
がんが固有筋層に達しているが,これを超えていない |
ss |
がんが固有筋層を超えているが,漿膜表面には出ていない |
se |
がんが漿膜表面に露出している |
si |
がんが直接他,他臓器に浸潤している |
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直腸がんの深達度(漿膜がない部位) |
早期がん |
m |
がんが粘膜内にとどまり,粘膜下層におよんでいない |
sm |
がんが粘膜下層にとどまり,固有筋層におよんでいない |
進行がん |
mp |
がんが固有筋層にとどまり,これを超えていない。 |
a1 |
がんが固有筋層を超えているが,さらに深くは浸潤していない |
a2 |
がんが固有筋層を超えて,さらに深くは浸潤しているが,他臓器に
浸潤していない |
ai |
がんが直接,他臓器に浸潤している |
上記の表からもわかるように,粘膜下層までのがんを「早期がん」,固有筋層以上まで達したがんを「進行がん」と呼び,区別しています。
早期がんでは,内視鏡による切除が可能ですが,進行がんでは,外科的切除が必要です。
治癒率も早期がんでは90%以上に対して,進行がんは70%以上と大きな差があります。
深達度の判定のために,内視鏡で観察できるのは,あくまでも大腸の表面の粘膜だけです。
そこで,内視鏡で拡大して確認したがんの表面の状態から,深達度を予測する方法が考え出されました。
これをピットパターンといい,これでがんの状態を7種類に分類し,特に早期がんの深達度を予測は9割以上の制度で深達成度を推測することができるようになりました。
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大腸がんのピットパターン |
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T型 |
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類円形 |
正常 |
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U型 |
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星芒状 |
腺種〜M癌 |
Vs型 |
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正常より小型の
管状円形 |
VL型 |
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正常より大型の
管状円形 |
W型 |
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樹枝状・脳回転状 |
Xl型 |
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不整形・ふぞろい |
粘膜下層
へ浸潤
M〜SM癌 |
XN型 |
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不整形・ふぞろい
ピット数が少ない
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粘膜下層深部
へ浸潤
SM癌以上 |
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大腸がんの診断における肉眼型分類 |
大腸癌は見た目の形(肉眼形態)により,0型〜5型に分類されています。
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粘膜または粘膜下層にとどまる早期がんは表在型(0型)に分類され,隆起型と表面型に分類されます。
「隆起型」には腺腫の一部ががん化したがんはその茎の状態によって「無茎性」「亜有茎性」「有茎性」に分類されます。
一方「表面型」は「表面隆起型」「表面平坦型」「表面陥凹型」に分類されています。
腫瘤型(1型) |
腫瘍が塊状となり,腸の内側に出ている |
潰瘍限局型(2型) |
腫瘍の中央が陥没し,境界がはっきりしている |
潰瘍浸潤型(3型) |
2型よりも,周堤がくずれて正常な粘膜との境界がはっきりしない部分があるもの |
びまん浸潤型(4型) |
癌が周囲に不規則に広がっているもの。スキルス型とも呼ばれる |
分類不能(5型) |
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大腸がんの進行がんで最も多いのは「潰瘍限局型」で,全体の7割をしめています。
これまで,大腸がんはほとんどが腺種から発生すると考えられていましたが,最近では粘膜にはいめからがんが発生する場合もあることがわかり「デノボー(de novo)がん」と呼ばれています。
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